
第24回 暖房・給湯を考える
暖房給湯システムはエコジョーズが良いですよ、と設計事務所に言われたという話は前に書いたが、言われるがまま、というのはしゃくに障るので、自分なりに調べてみた。
住宅雑誌なんかを眺めていると、やたらと「エコ何とか」という名前が目立つが、給湯・暖房関係も、例に漏れず、
エコジョーズ(都市ガス)
エコウィル(都市ガス)
エコキュート(電気)
と揃っている。
何がエコなのかというと、それぞれ、これまでよりエネルギー効率を上げた!化石燃料の消費量を抑えた!ということで「エコ」なのだそうです。
以下、色々と調べた結果をご披露
【エコジョーズとは】
エコジョーズとは、これまでよりも効率よくお湯を沸かすことの出来るガス給湯器のことです。
具体的に言うと、いままでは、給湯器上部から空気中に放出していた約200℃の排気熱を再利用し、あらかじめ水を温めます。この、少し暖められた水をさらに加熱してお湯にするので、従来タイプに比べて少ないガスで済むというところが省エネになっております。これで、今まで限界だった約80%の熱効率を何と約95%にまで引き上げたとのこと。高効率化により、使うガスの量が、従来型のガス給湯器に比べて約10%ほど少なくて済むようです。
【エコウィルとは】
エコウィルは、ガスで発電し、その際に発生する熱を、給湯や暖房に有効活用する『ガス・コージェネレーションシステム』です。
総合エネルギー効率がきわめて高いのが特長で、エネルギー利用効率は85.5%(電気エネルギーに変換分22.5%、お湯に変換63%)を達成。
一種の自家発電なので、発電した電気を自宅で使い、その分電気料金が安くなります。ただし自家発電とは言っても停電するとエコウィルのシステムも停止するので、非常用発電としては使用できません。
電気やお湯・暖房を多く使う時間帯に運転するので、夜間電力でお湯を沸かして貯めておいて昼間使うエコキュートや電気温水器と違って、せっかく貯めて置いたお湯が徐々に冷めていくことが少なく、効率的なのだそうです。
ちなみに、家族の生活パターンを記憶して、1日に使うお湯や温水暖房の使用量を予測し、また電気や熱を多く使う時間帯に運転する「学習機能」を搭載しています。
当然のことながら、エコウィル停止時や発電以上の電力を使用した場合は、電力会社からの電気を使うので、電気不足の心配はありません。
マンションへの設置はできないそうです。
配電盤等の工事が必要だからかな?
モデルケースでは家庭の年間電気使用量の約4割をエコウィルで賄うことができるそうです。
ただし、30~40坪程度の1戸建に住む4人家族をモデルとして想定しているため、大家族の大きな家や二人暮らしの小さな家などでは容量が足りなかったり、うまく発電ができなかったりして、あまり効率良く動かないようです。今のところ。
なかなか微妙なもんですな。
で、エコ心をくすぐるのは、北ガスの天然ガスは北海道苫小牧勇払産(函館地区は除く)ですから、自給エネルギーだってところ。
うがった見方をすれば、これからの世界情勢からすると、輸入エネルギーがどうなるかなんて分かったもんじゃないわけで(現に灯油も一昔前から考えると、信じられないくらい値上がりしてるし)、その点からすると、自給エネルギーということは、安定供給される可能性が高いということで、リスク軽減にもなるかもしれない。
実際に、北海道ガスでは2006年5月より原料費調整制度を廃止してるし。
ちなみに、火力発電所で発電した場合、効率よく電気を作れますが(効率44%)電送ロスが約4%あり、家庭に届く電力でいうと、効率は40%となりまが、廃熱の利用はなかなか難しいらしいです。
発電所はだいたい住宅地等から遠く離れているので。
【エコキュートとは】
エコキュートはお得な夜間電力(電気代が昼間よりも約70%も割安になるらしい)を利用して夜間にCO2ヒートポンプを動かし、大気の熱を効率よく取り入れてお湯を沸かして貯めておくシステムです。
ヒートポンプの原理を利用してお湯を沸かすので、投入電力以上の熱エネルギーを生み出すことができます。沸かしたお湯はタンクに貯めておいて使います。
マイコン制御により毎日の使用湯量に応じて、深夜に沸き上げるお湯の量を考えます。また湯切れをしない様に、日中の時間帯でも沸き上げる場合があります。
でもねー、寒冷地では気温自体が低いので、大気の潜熱を利用するヒートポンプは効率が下がります。
基本的に夜間にお湯を沸かして貯めておくシステムなので、暖房に使うには不向きに思えるのですけど、北海道電力などのウェブサイトには、そこら辺のことはばしっとは書いていないんだよなぁ。
が、エコキュートと、「一台で暖房と給湯ができる多機能ヒートポンプシステム」が並べて書いてあるので、どうやらエコキュートは給湯専用という位置づけのようだな。
そもそも、名前がキュート=給湯だし。
ということは、暖房については、別に用意しなきゃならないわけだ。
なるほどねぇ、オール電化っていうのは、給湯はエコキュートとか深夜割引料金を使った夜間電気温水器で、暖房はまた別に電気ボイラーとか電気パネルヒーターとかを使い、料理はIHクッキングヒーターを使う・・・という合わせ技だったのね。
その筋の方には常識なのでしょうが、わたくし、今、眼からウロコが3枚ほど落ちました。いやー、何でも自分で調べてみるもんだ。
この他に、対抗馬として、やはり一番ポピュラーではないかと思われる灯油セントラル給湯・暖房システムがあるわけですな。
(長いので続く)
暖房給湯システムはエコジョーズが良いですよ、と設計事務所に言われたという話は前に書いたが、言われるがまま、というのはしゃくに障るので、自分なりに調べてみた。
住宅雑誌なんかを眺めていると、やたらと「エコ何とか」という名前が目立つが、給湯・暖房関係も、例に漏れず、
エコジョーズ(都市ガス)
エコウィル(都市ガス)
エコキュート(電気)
と揃っている。
何がエコなのかというと、それぞれ、これまでよりエネルギー効率を上げた!化石燃料の消費量を抑えた!ということで「エコ」なのだそうです。
以下、色々と調べた結果をご披露
【エコジョーズとは】
エコジョーズとは、これまでよりも効率よくお湯を沸かすことの出来るガス給湯器のことです。
具体的に言うと、いままでは、給湯器上部から空気中に放出していた約200℃の排気熱を再利用し、あらかじめ水を温めます。この、少し暖められた水をさらに加熱してお湯にするので、従来タイプに比べて少ないガスで済むというところが省エネになっております。これで、今まで限界だった約80%の熱効率を何と約95%にまで引き上げたとのこと。高効率化により、使うガスの量が、従来型のガス給湯器に比べて約10%ほど少なくて済むようです。
【エコウィルとは】
エコウィルは、ガスで発電し、その際に発生する熱を、給湯や暖房に有効活用する『ガス・コージェネレーションシステム』です。
総合エネルギー効率がきわめて高いのが特長で、エネルギー利用効率は85.5%(電気エネルギーに変換分22.5%、お湯に変換63%)を達成。
一種の自家発電なので、発電した電気を自宅で使い、その分電気料金が安くなります。ただし自家発電とは言っても停電するとエコウィルのシステムも停止するので、非常用発電としては使用できません。
電気やお湯・暖房を多く使う時間帯に運転するので、夜間電力でお湯を沸かして貯めておいて昼間使うエコキュートや電気温水器と違って、せっかく貯めて置いたお湯が徐々に冷めていくことが少なく、効率的なのだそうです。
ちなみに、家族の生活パターンを記憶して、1日に使うお湯や温水暖房の使用量を予測し、また電気や熱を多く使う時間帯に運転する「学習機能」を搭載しています。
当然のことながら、エコウィル停止時や発電以上の電力を使用した場合は、電力会社からの電気を使うので、電気不足の心配はありません。
マンションへの設置はできないそうです。
配電盤等の工事が必要だからかな?
モデルケースでは家庭の年間電気使用量の約4割をエコウィルで賄うことができるそうです。
ただし、30~40坪程度の1戸建に住む4人家族をモデルとして想定しているため、大家族の大きな家や二人暮らしの小さな家などでは容量が足りなかったり、うまく発電ができなかったりして、あまり効率良く動かないようです。今のところ。
なかなか微妙なもんですな。
で、エコ心をくすぐるのは、北ガスの天然ガスは北海道苫小牧勇払産(函館地区は除く)ですから、自給エネルギーだってところ。
うがった見方をすれば、これからの世界情勢からすると、輸入エネルギーがどうなるかなんて分かったもんじゃないわけで(現に灯油も一昔前から考えると、信じられないくらい値上がりしてるし)、その点からすると、自給エネルギーということは、安定供給される可能性が高いということで、リスク軽減にもなるかもしれない。
実際に、北海道ガスでは2006年5月より原料費調整制度を廃止してるし。
ちなみに、火力発電所で発電した場合、効率よく電気を作れますが(効率44%)電送ロスが約4%あり、家庭に届く電力でいうと、効率は40%となりまが、廃熱の利用はなかなか難しいらしいです。
発電所はだいたい住宅地等から遠く離れているので。
【エコキュートとは】
エコキュートはお得な夜間電力(電気代が昼間よりも約70%も割安になるらしい)を利用して夜間にCO2ヒートポンプを動かし、大気の熱を効率よく取り入れてお湯を沸かして貯めておくシステムです。
ヒートポンプの原理を利用してお湯を沸かすので、投入電力以上の熱エネルギーを生み出すことができます。沸かしたお湯はタンクに貯めておいて使います。
マイコン制御により毎日の使用湯量に応じて、深夜に沸き上げるお湯の量を考えます。また湯切れをしない様に、日中の時間帯でも沸き上げる場合があります。
でもねー、寒冷地では気温自体が低いので、大気の潜熱を利用するヒートポンプは効率が下がります。
基本的に夜間にお湯を沸かして貯めておくシステムなので、暖房に使うには不向きに思えるのですけど、北海道電力などのウェブサイトには、そこら辺のことはばしっとは書いていないんだよなぁ。
が、エコキュートと、「一台で暖房と給湯ができる多機能ヒートポンプシステム」が並べて書いてあるので、どうやらエコキュートは給湯専用という位置づけのようだな。
そもそも、名前がキュート=給湯だし。
ということは、暖房については、別に用意しなきゃならないわけだ。
なるほどねぇ、オール電化っていうのは、給湯はエコキュートとか深夜割引料金を使った夜間電気温水器で、暖房はまた別に電気ボイラーとか電気パネルヒーターとかを使い、料理はIHクッキングヒーターを使う・・・という合わせ技だったのね。
その筋の方には常識なのでしょうが、わたくし、今、眼からウロコが3枚ほど落ちました。いやー、何でも自分で調べてみるもんだ。
この他に、対抗馬として、やはり一番ポピュラーではないかと思われる灯油セントラル給湯・暖房システムがあるわけですな。
(長いので続く)
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