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8回の転居の末に家を建てる

さすらいの転勤生活を経て、とうとう居場所入手へ。 露天風呂・ペレットストーブ・かまど・土間・焚火炉・珪藻土壁・無垢床・アウトドアリビングなどの妄想を小さな予算に押し込む一部手作りの挑戦の記録!

漆喰そのものを自分で作りたい(貝を焼いてみる)

第554回 漆喰そのものを自分で作りたい(貝を焼いてみる)

漆喰(しっくい)自作(自分で漆喰を塗るのではなくて、材料から漆喰そのものを作ってみる!)
の第一歩。

貝殻(炭酸カルシウム)から生石灰(酸化カルシウム)を作り出す試験をしてみました。
要は貝殻を焼いただけなんですが。

食材として普通にスーパーで買ってきた貝の貝殻を(妻に)取って置いてもらって、
それを焼いてみました。

用意した貝殻
↑貝殻は少し大きめの「ホッキ貝」と小振りの「あさり」のもののようです。

貝を、貝殻ごと炭火で焼いて、ジュワワーと醤油を垂らして頂く海鮮炭火焼きとかあるんで、
単に貝殻を炭火に載せただけではあかんだろうと思い、
へっつい窯(300度以上を維持できる)にぶち込んで見ました。

100円ショップで金属皿と魚焼き用網を買ってきて、それぞれに貝殻を載せて、
1時間ほど薪を燃やし続けて蓄熱して300度になったへっつい釜(アースオーブン)に投入。

窯で貝殻を焼く
↑火を入れて約一時間後には300度に。

焼かれている貝殻
↑窯の中は手を入れられないくらい高温


焼けた貝殻
↑焼けているか?1時間ほどで窯から出してみると・・・・・

いっけん、あまり変化は見られない。
少し亀裂が入っているようではあるが・・・・・・
しかし、貝殻が簡単に、指先でペきペき割れます。

焼けた貝殻は指で割れる
↑焼かれて超もろくなってます。

貝殻が焼かれて、かなりもろくなっています。
指でもペきペき割れます。
良い感じです。

クリーム状の漆喰にするためには、粉末状になるまで細かくする必要がありそうなので、
金槌でとんとん、ごりごりと貝殻片を叩きつぶします。

貝殻を砕く
↑金槌でどんどん潰します。

貝殻をより細かく砕く
↑けっこう細かくなりました。

既製品のしっくいは白いですが、これは灰色っぽいところがいかにも自作らしい(笑)。

さて、次は添加剤の開発です。
前回のお勉強によれば、
一般の漆喰は、海草(を煮たモノ)とすさ(繊維質)を混ぜ込んでいるようです。

海草は・・・・海に行って拾ってくるか。

繊維質はどうするかな?
粘土窯(へっつい窯)を作った時に、粘土に混ぜた稲藁が残っているので、これを使ってみるか。
そままでは硬すぎるので、煮て繊維質を抽出するか。

それとも、庭に一杯生えている多年生亜麻から繊維を抽出して使ってみるか?
まだまだ色々と解決すべき事項がありますね。
ワクワク(笑)。

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漆喰を自力で「作る」ためのお勉強

第553回 しっくいを自力で「作る」ためのお勉強

昨年6月に、漆喰(しっくい)を自作してみたい、という記事を書きました。
漆喰塗りを自力でやるのではなく、漆喰そのものの製造です。

詳しくはコレ→ http://paktake.blog104.fc2.com/blog-entry-524.html
足かけ5年の歳月を掛けて自作した「へっつい窯」(かっこよく言うとアースオーブン!)
ですが、もとは粘土なので、そのままでは雨にぬれるとドロドロと溶けていってしまいます。
そこで、その防水をどうするか、色々と考えていました。

アースオーブン
↑粘土窯(へっつい窯、アースオーブンとも)。

とりあえず屋根をかけてはいますが、少しでも風があると雨が吹き込み、窯が濡れます。

周りを木材で囲うかとも考えましたが、
へっつい窯は火入れをするとかなりの高温になるため、ちゃちな木材なんかだと
焦げちゃったり発火する危険性があるので、木はちょっとなぁ~。

火に強くて、かつ防水性があって、
見た目も悪くなく、何よりもに安価(ここ重要!)な防水素材がないだろうか。

と、つらつらと考えていた時に思いついたのが漆喰(しっくい)。

昔、倉の外装材に使われていたくらいだから、耐火性、耐候性は折り紙付き。
左官材料だからへっつい窯の微妙な3次元の外面にもぴったりフィット。

そして、自作できそう(=多分、安く上がる)!

思いついたのは、尊敬する吉村昭氏の「漂流」を読んだ時。
(詳しくは上のリンクで!)

難破してたどり着いた離島でできるくらいだから、きっと自分にも出来るはず!

ということで、少し本格的に調べてみました。

++++++調べ中+++++調べ中++++++調べ中+++++++

さすがに漆喰そのものを自作したという(物好きな)方は
ほとんど居ないようで、
自作情報にはヒットしませんでしたが、
漆喰というのがどんな原理で、どのように作られるのかについては、
すぐに理解することができました。

ネット時代万歳。

工業的には石灰石を原料にするものがほとんどのようですが、
加工にかなりの高温を必要とするらしいので、
自作するとなると、貝殻を使うのが無難のようです。

貝殻だと、それほど高温を必要としないらしい。

貝殻の主成分は炭酸カルシウム(CaCO3)。
これを高温で焼くと二酸化炭素(CO2)が遊離して、酸化カルシウム(CaO)に変化。
炭酸カルシウムの別名は生石灰(せいせっかい)。

左官職人(しっくい職人?)さんは、貝殻を焼いて作った酸化カルシウムを貝灰、
石灰石を焼いて作った酸化カルシウムを石灰、と呼ぶそうな。

この生石灰に水を加えると水酸化カルシウム Ca(OH)2 に変化します。
水酸化カルシウムの通称は「消石灰(しょうせっかい)」です。

余談。
少し前は、校庭に白線を引く時の白い粉は消石灰だったようですが、
風で舞って目に入ったりすると良くないので、今は別物であることが多いようです。

さらに蛇足。
生石灰に水を加えると発熱します。
ひもを引くとお燗が付く(暖まる)缶入り日本酒とか、暖まる弁当とかは、この反応を利用しているらしいです。

この「水酸化カルシウム(消石灰)」に水を加えて練ったモノが、俗に言う「漆喰」。
ペースト状になるのだそうです。
このペースト状の水酸化カルシウムを塗り塗りするのが漆喰塗り。

急に乾燥すると割れが生ずるので、
乾燥をコントロールするために、副材料として煮た海草
(あるいは海草を煮て抽出したモノ)などを混ぜます。

これは、化学ノリやメチルセルロースなどで代替することもあるらしいです。

また、割れを防ぐために、藁すさなどの繊維質のものも入れます。
(これも化学繊維で代わりにすることもあるとか)

漆喰(水酸化カルシウム)は、水分が飛んでしばらくすると、
空気中の二酸化炭素(CO2)と反応して炭酸カルシウム(CaCO3)に変化します。
炭酸カルシウムは、要は貝殻とか石灰石なので、つまり元に戻るということですが、
そうなったらもう水にも溶けませんし、もちろん燃えたりもしません。

これで完成です。

漆喰が乾燥してから、二酸化炭素と反応が終わる(硬化完了)まで一ヶ月くらいかかるという記述がありました。
塗った厚さにもよるのかな?


補足情報

(1)西洋漆喰は、水酸化カルシウムに、海草抽出物や繊維(すさ)ではなくて、石粉を加えたものだそうです。
水酸化カルシウムが空気中の二酸化炭素と反応して硬化するプロセスを利用するのは、
和も洋もまったく同じ。

(2)撥水性をアップさせるために、油を混ぜることもあるらしいです(土佐漆喰とか)。


漆喰の歴史は数千年あるらしいので、西洋、東洋それぞれ独自に発見され、発展したのでしょうかね。
すごいね~。

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